「最近、なんだか疲れやすい」「ちょっとしたことでイライラする」──そんな時、ふと思い浮かぶのが「ストレス」というワード。今や老若男女、誰もが知る言葉ですが、その正体はなかなか掴みづらい存在でもあります。
現代人は、ストレスに敏感です。「どうすれば避けられるか?」「溜めないためには?」そんなノウハウや対策がネットにも本にもあふれています。でも実は、その「逃げようとする姿勢」そのものが、新たなストレスを生んでいることも少なくありません。
よく言われる「ストレス社会」は、まるでドミノ倒しのよう。誰かがイライラすれば、そのしわ寄せが誰かにいき、その人がまた別の誰かに――こうして連鎖は続きます。知らないうちに、私たちは「ストレスから逃げたい」というプレッシャーに追われているのかもしれません。
そこで、ちょっと発想を変えてみるのはどうでしょうか?
ストレスを「排除すべき敵」ではなく、「一緒に暮らす隣人」と捉えてみる。ストレスがあるからこそ、自分の限界が見えたり、本当に大切なものに気づけたりする。つまり、「ストレスはゼロにしなくていい」んです。
もちろん、何でもかんでも我慢しろという話ではありません。でも、避けようとばかりしていると、余計にしんどくなってしまう。むしろ「うん、今ちょっとしんどいな」と自覚することから、立ち直りのヒントが見つかることもあります。
結局のところ、ストレスと上手く付き合うには、ちょっとした柔軟性がカギ。四角四面な思考ではなく、発想をくるりと転換してみる。「そういう考え方もアリかもね」くらいの余裕を持つことが、案外一番の“対策”なのかもしれません。
参考「ストレス一日決算主義(山本義晴著)